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日曜日は午後から雨という予報だったし、実際空模様は今にも泣きそうな程にぐずっていた。
中止にはしたくなかったから、家までか、
それが嫌ならいつもの駅まで迎えに行くし帰りも送るとメッセージを送れば、家の前まで来てくれないかと返事が来たのでそうすることにする。
一歩前進したと捉えるべきか、それともこの間の詫びのつもりなのか。
何にせよ、中止にはならなかったのでそこにはホッとしつつ二度目のデートを楽しむことにする。

いや、ホッとするもクソもないんだけどな?
そもそも楽しむも何も、映画観るだけなんだけどな?
迎えに行く時間まではまだ少しあるからと簡単に部屋は片付けたが、客を招くんだから当たり前な行動だろう?
別に楽しみにしてる訳じゃねぇ。
うん。

「そろそろ行くか。」

会社を真ん中に考えると、俺の家と康介の家は真反対の方角にある。
更にいうなら俺は会社の近くに住んでるいるが、康介は何故かかなりの距離に住んでいるので俺の家とそこそこの距離があったりもする。
つか普通に車でも30分以上かかるからマジで遠い。
アイツよくそんな距離通えるよなと感心するわ。逆に。

『そろそろ行く』
『準備だけして家の中で待ってろ』

そう送れば既読が即効で付いた上に、犬の可愛い系の了解スタンプが返ってきた。
基本は返信そんなに早くねぇクセに。
康介も楽しみにしてくれてるのだろうか?
俺に絆されてくれたのだろうか?

だとしたらスムーズに事が進む。
忘れるな、俺のそもそもの目的を。
康介が俺に絆される前に、俺が絆されてどうすんだよ。

自分自身にそう言い聞かせ、車の鍵を手に取る。

一瞬だけ俺の家に女を招いた回数なんて数える程だなと思い出したけれど、それはすぐに忘れたことにする。



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