13

どうやら俺達二人とも、思い立ったが吉日な考えらしい。
今度とか言いながら俺は普通に車の鍵持ち出したし、康介もそんな俺と当たり前のように手を繋いでお揃いが良いとニコニコと笑う。
お揃い欲しいってなんだよ。
可愛いか。
俺も欲しいわ。

「どんなのが欲しい?康介の好みのが良い。」
「柄付きとかでも良い?」
「良いぞ。」

俺に背中から抱き着くのが気に入ったのか、繋いでいた手を離したかと思えば楽しそうに抱き着いてくる。
めっちゃ可愛い。
恋人から甘えられるとこんなに嬉しいのか………。
あとワガママと甘えって全然違うんだなと、当たり前なことを改めて感じる。
つかコイツ甘え上手で甘やかし上手過ぎんだろ。
コイツの彼氏たちよくコイツ捨てれたな。
アホだろ。

「どうせもうこの家、俺とお前以外を居させるつもりないし、好きにして良いぞ。」

普段使うつもりのないような食器だとしても、二人きりなら構わない。
康介の喜ぶことなら多少の羞恥くらい耐えられる。
どうせ見てるの康介だけだしな。

「じゃあさ、じゃあさ、ちょっと遠いけどあそこのアウトレットモール行かない?」

弾んだ声で言ってるところ悪いが、車だとそう遠くないんだよなぁ………
電車だと乗り換えが面倒みたいだが。
車乗らねぇと乗り換え時間も移動時間に含まれるから、車よりも遠く感じるよな。

「良いぞ。他に見たいのあったら、その都度教えてくれ。」
「うん。耀司くんが見たいのあったら教えてね。一緒に行こ。」

………いけないとは分かっていても、どうしても今までの恋人達と比べてしまう。
今まで言われたことなんて『着いてきて』『私こっち行きたいの』『別行動とか意味分かんない待っててよ』のオンパレードで一緒になんて言われたことなかった。
見たいの教えて欲しいだなんて、尚更。

「ああ。一緒に行こうな。」

腰に巻きついた腕を一回離し、正面から抱きしめる。
いくら身長差があるといっても、男だし痩せてるから華奢だが骨ばった身体。
それでも誰よりも抱き心地が良い………というか、すっぽりと収まりがいいんだよな、マジで。

「うん!早く行こ!」

康介が嬉しそうに笑いながら、腕を伸ばして俺の頬を撫でる。
これマジで好き。
気持ちいい。
前の男共も味わってたのだろうか?
つか俺がついつい前の女と比べてしまうように、康介も前の男と俺を比べたりしてんだろうか………?

「耀司くん?」
「いや、なんでもない。早く行くぞ。」

心配そうな表情を浮かべる康介の頭を掻き混ぜて、じんわりと浮かんだ感情を誤魔化す。
なぁ、前の彼氏とマッチングアプリで出会ったって言ってたけど、数多くの男からソイツを選んだ訳だよな?
ソイツの何が良かったんだ?
見た目?
浮気するくらいだから性格はクズな訳だが、でもそうするまでまともに思えたとかか?

「………俺のがマシだもん。」
「?何の話?」

もう一回康介を抱き締めて、肩口に顔を埋め………ようと思ったら立ってる状態だと身長差のせいでやりにくくて仕方ない。
高身長でスタイル抜群な俺だけど、こういう時は憎らしい。

「なんでもねぇ。」
「ふぅん。変なの。」



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