「よーじくん、そろそろ起きよう。」
「は?あ?」
康介の声が聞こえ、意識が一気に覚醒する。
思わず飛び起きてカーテンの閉まっていない窓を見れば、もう既に日が沈み出してオレンジ一色になっていた。
しまった………ここまで寝るつもりなかったのに………!
「寒くなって日が落ちるのが早くなっただけだから、まだ時期的には夕方入ったばっかりだよ。」
焦る俺とは正反対に康介はゆっくりと起き上がると、グッと伸びをしてそう言った。
そういう問題じゃなくてな………いや、それはそれで安心できたんだが。
俺的にはもっとこう、恋人らしいデートをだな………
「お昼寝、気持ちよかったでしょ?」
そう思っていたけれど、康介が寝癖をつけながらふんわりと微笑むものだから頷いておく。
確かに気持ち良かった。
セックスするのとはまた違った意味で気持ち良かったし、正直クセになりそうなくらいだ。
まあ、そんなダラけた生活したくないからしないがな。
「平日頑張って働いてるんだから、休日の一日くらいはお昼寝で潰しても悪くないんじゃない?自分へのご褒美だよ。」
確かに、そう考えれば昼寝に潰しても悪くはないかもしれない。
だがそれは何も今日じゃなくても良い筈だろう。
「折角のデートを潰したのにか?」
「潰してないでしょ?」
俺の言葉に、また康介はきょとんとした顔をしてみせた。
いや、どう考えても潰してるだろ。
デートなんだから、もっと話したり出掛けたりするべきだろう。
「こうして同じ空間にいて、一緒にお昼寝するのもデートだよ。」
こつんと。
康介が俺の額に自分の額を当てた。
顔が近い。
それでも不快じゃなくて、それどころか俺は自然と近くなった康介の唇にキスをした。
康介は、俺のことを好きじゃない。
それでも康介は俺の唇を受け入れてくれたし、ゆっくり離して顔を見てみても、不快そうな表情一つなかった。
「キス、していいか?」
「もうしてるのに?」
「もっと。」
もっと。
こんな触れ合うだけじゃなくて、もっと深いものを。
良いよとも、ダメだとも言われていない。
それでも俺は自然と傾いていく身体を止められなかった。
止めようとしない康介の態度を、きっと答えなんだと信じて。
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